特定非営利活動法人パートナーシップ・サポートセンター

CSRとNPO

CSRが脚光を浴びる今、NPOが社会における存在意義を高めていけるチャンスです。
では、CSRにNPOが関わるとき、いったいどの部分にどう関わっていけばよいのでしょうか。

PSCでは、2004年5月にアメリカ調査、2005年2月にヨーロッパ調査(※)を行いました。
そして以下の図に示すような関わり方を考えています。

それぞれの企業が存立している地域などの身近な周辺社会における社会的責任を表す、いわば「小さな社会のCSR」と、例えば地球規模における環境問題や海外における貧困に対する社会的責任をイメージした「大きな社会(世界)のCSR」の二つに分けてみましょう。

CSRとNPOの関係


グローバル企業といわれるような大企業の場合は、当然、世界的規模での「大きな社会のCSR」と視野に入れて活動することが求められますが、中小企業の場合、なかなかそこまでは考えられないという現実があります。しかし、自分の会社が存立している周辺地域にも、企業の出番はたくさんあります。例えば犯罪の増加やホームレス、ニート・不登校の問題、地域の高齢化やコミュニティ崩壊の問題、子育てや児童虐待、あるいは防犯や地域の安全、廃棄物や交通問題などです。

そしてこの「小さなCSR」として目配りすべき範囲には、街づくりや子育てグループ等々、数多くのNPOが直接地域に関わりながら活動しています。また、本来企業が取り組まなければならない男女共同参画や障害者雇用、さらには企業が提供する製品やサービスの安全性や品質に対するレビューなども、NPOの活動分野とつながることが多く、そうしたNPOとの協働の可能性は無限です。

企業がCSRに取り組むとき、NPOとの関係を抜きに考えることは、それだけ企業自らの力を余分に注がなければならないことを意味します。コミュニティに根ざして活動するNPOの専門性や先駆性を引き出し、利用することで、より豊かに専門的に、地域の課題や企業自身の課題への取り組みを進めることができるはずです。



NPOから具体的発信・提案を!

では、NPO側からはどんなアプローチをしていけばいいのか……。

小さなNPOがいきなり大企業のCEOにアプローチする必要はありません。企業にもNPOと同じように社会貢献活動をする際、得意分野あるいは重点分野があります。それを見極めた上で、各分野のNPOから企業の各部署に向けて、具体的発信をしていくことがキーになります。

PSCでは、そうしたアイデア提案や協働のコーディネートに力を入れています。


※詳しくは、出版書籍「CSRに効く! - 企業&NPO協働のコツ」(風媒社)「企業とNPOのパートナーシップ−CSR報告書100社分析」(同文舘出版)「NPOからみたCSR−協働へのチャレンジ」(同文舘出版)「NPOと企業 −NPOと協働へのチャレンジ」(同文舘出版)にてご紹介しています。